読書メモ 稲葉 剛 著 『生活保護から考える』(岩波新書)

 前々から、読書メモって、ブログの活用法として有効じゃないかなって思ってたんだけどね。その手始めとして、稲葉剛著『生活保護から考える』(岩波新書)について書いてみようと思う。

 この本を手にした理由だけど、なんか最近、いわゆる「底辺」の人たちと社会との関わりってどうなんだろう?って思うところがあって…。 「底辺」の人たちってのは、犯罪者とか、犯罪予備軍とか、生活保護受給者の一部の人とか、ホームレスの人とか、子どもだと、児童養護施設や障害児入所施設の子どもたちとかのことかな…。っで、どうなんだろう?ってのは、最近のことで言うと…そんなに最近のことでもないけど…、一つは、たしか、自転車の後ろに赤ちゃんを乗せた母親が、渋滞道かなんかを、車の間をすり抜けながら無茶な横断をして、まさかそんな横断をしている自転車がいるなんて思わずに流れ沿って走っていた車に衝突して、転倒して、赤ちゃんが亡くなってしまうという事故の後のことで…。その記事についたツイートとかブコメとか見てると、もちろん母親をおもいっきりディスるものだったり、車の運転手の身になって「なんて災難…」ってものだったりが多かったんだけど…。それを見て、なんか、〜〜こんな母親のいる世界を自分たちの世界から切り離して、どっかにやってしまいたい〜〜そんな情念を、すごく感じてしまったんだよね。それから、もう一つは、鳥取の障害者施設で入所者の部屋に鍵をかけて閉じ込める虐待があったって見出しのニュースがあって、それに…これもツイートだけど…、たしか「年越し派遣村」の時に湯浅誠さんとともに注目された、首都青ユニオンの河添誠氏が、「信じがたい虐待(怒)。」とだけつぶやいた*1のを見つけて、…これ、すぐに障害者の人権問題ってだけじゃなくて、施設職員の労働問題の可能性も高いなって感じたんだけど…障害者に他害や異食があるってこととか、日中活動や散歩はしているってこととかが書いてたからね…、それなのに、虐げられた若い労働者たちの味方、河添誠が、「(怒)」とかつけて、「悪者を叩く正義の味方!のポーズをとるだけ」って、なに? ひょっとして河添とかの「底辺」の人たちとの関わりって、ヒット・アンド・アウェイなんじゃない? だから、こういうときに働くべき感性が働かないってことなんじゃないの?って感じてしまったんだよね。っで、じゃあ、「私たちの社会」の、誰が、「底辺」の人たちと関わってるんだろう?って思って…。そんな時に、この『生活保護から考える』ってタイトルで、岩波新書で、出版年も2013年で新しくて、ってのを見つけて、手っ取り早いかもしれないってことで、手にしたわけ。

 っで、いざ読もうと著者紹介を読んで初めて気がついたんだけど、この著者は、湯浅誠さんといっしょに、「自立生活サポートセンター・もやい」を設立した人なんだよね。だから、あら、これじゃ、湯浅誠さんのような人とか、その仲間っぽい河添のような人とかの、客観的な実像は分かんないんじゃないのかなって思って…。でも、せっかくなんで、読んだんだよね。っで、読み終えての「もやい」についての、湯浅さんや稲葉さんについての、評価は、やっぱり、「底辺」に近い人たちのそばで大切なことをしている人たちなんじゃないかな、やっぱり、全然、悪くなんて言えないな、ってものだった。もちろん、本人語りを見てなんだけどね。でも、それを割り引いても、嘘は書いてないだろうし、こんだけのことをしているのなら…と。…ま、河添のことは分からないけど…。

 この本、著者の立場を最初に明記して書かれているんだよね。生活保護に対するマイナスイメージが広げられていること、それに便乗する形で「安倍政権」が生活保護制度の「見直し」を進めていることが書かれて、そして、次のように書いているんだよね。

この本はそうした社会や政治の「流れに掉さす」ことを目的として書かれています。
pp.iv

いわゆる「中立的」な立場から書かれたものではありません。制度やその利用者に対する誤解や偏見に満ちた言説が社会に満ち溢れる中で、肩身の狭い思いをさせられている当事者に近い視点から、生活保護問題の全体像に迫ろうとするものです。
pp.v

っで、もちろん、安倍政権の生活保護制度の「見直し」が、いかによくないかが、いろいろ書かれているんだけど、それと対照的に持ち上げられているのが、実は、民主党政権…おそらくその中でも鳩山政権期だけ…なんだよね。例えば、生活保護に暖房費などの「冬季加算」があるのに冷房費などの「夏季加算」がないことについては、次のように書いている。

当時の長妻昭厚生労働大臣は、同年九月の記者会見の席で、「夏季加算」新設を検討すると明言しました。その後、「夏季加算」新設の話は長妻氏の退任とともに雲散霧消してしまいましたが、現行の生活保護基準が必ずしも充分ではなく、今の水準では利用者の生命と健康を支えることができないことを担当大臣が認めたことの意義は大きかったと考えます。
pp.6

それから、「老齢加算」廃止についての節では、

小泉純一郎政権下では、十八歳以下の子どもを持つひとり親家庭生活保護世帯に支給されてきた母子加算も二〇〇五年から段階的に廃止されました。母子加算は二〇〇九年四月に完全廃止されましたが、その年の九月に発足した民主党政権は、同年一二月から母子加算を復活させました。母子加算の復活は民主党政権における貧困対策の「一丁目一番地」と言われましたが、その一方で、同じ小泉政権下で廃止された老齢加算の復活が議論にのぼることはありませんでした。
pp.11-12

って、民主党政権生活保護の見直しは不十分だったけど、自民党政権より随分ましだったように書かれている。それから、これって著者の自画自賛も入っているよねって思うけど、

 民主党政権下の二〇〇九年一二月から翌年六月まで、厚労省で「ナショナルミニマム研究会」が開催されました。貧困問題を専門とする研究者だけでなく、雨宮処凛(作家・反貧困ネットワーク副代表)や湯浅誠反貧困ネットワーク事務局長)といった社会活動家も委員として選任されました。「ナショナルミニマム研究会」は一〇回、会合を開き、二〇一〇年六月に「中間報告」を発表。「ナショナルミニマムは国が憲法二五条に基づき全国民に対し保障する『健康で文化的な最低限度の生活』水準であり、最終的な保障責任は文字どおり国が負っている」ことを確認したうえで、「今後は社会保障を『コスト』ではなく『未来への投資』と位置付ける」という方向性を示しました。
 しかし、この研究会は「中間報告」を発表した後は一度も開かれることなく、現在に至るまでも解散も宣言されない、という異常な状態が続いています。民主党政権の変質とその後の自民党の政権復帰により、ナショナルミニマムをめぐる議論は封印されてしまったのです。
pp.37-38

というのもある。(ところで、雨宮処凛って、「作家」で「社会活動家」だったのね。)あと、自民党の日本型福祉社会というパラダイム…その背後には、「家族の絆」という問題のある物語があるんだけど…それは、また後に書くけど…に対して、

民主党政権下で進められた「社会保障と税の一体改革」は、本来、こうした日本型福祉社会からのパラダイムチェンジを図ったものでした。
pp.127

なんてことも書いている…でも、結局、妥協して後退したって書いてるけど…。…なんか、前に、こんな↓エントリーを書いたことがあるんだけど…

『民主党なんて信じない』

…なんか、少し、民主党を見直したぞ。…って、著者も、でも、民主党変質したって書いてるけどさ。ま、やっぱり、著者とか湯浅さんって、党派性があるってことなのかな? でも、それは別に活動の価値を棄損するものではないよね。

 っで、「私たちの社会」の、誰が、「底辺」の人たちと関わってんの?っていうことについては、最初に書いたように、「ふつうの人たち」でもなくて、ヒット・アンド・アウェイの「弱者の味方」でもないんだろうな?って感じてたんだけど…、だから、普段、一番彼らに接する人たち…生活保護だと市町村のケースワーカーの人たちなんだろうなって、思ってたんだよね。でも、彼らは、生活保護受給者からも「ふつうの人たち」からも「弱者の味方」からも悪者にされているのではないか…ちょうど障害者施設の職員が、虐待者としてみんなから悪者にされているように…でも、障害者施設の職員って、いつも親身になって、障害者と関わっているんじゃないの?…だから、ケースワーカーもそうじゃないの?…そんな予想をもって読んだんだけどね…。結論から言うと、著者は、全体的傾向としては、そのように見ていない。傾向としては、「水際作戦」、有名な「北九州方式」、のような傾向があると。ま、職員の人間性が悪いからそんなことをするなんてことは書いてないけどね。ちなみに、著者は、厚労省は、憲法・法律に則った「表のシステム」と「北九州方式」に代表される「裏システム」の使い分けをしている、そして、安倍政権は、ついに「裏システム」を「表」化しようとしだした、と書いているんだよね。っで、話を戻して、この本で描き出されたケースワーカーの実態には、がっかりさせられたという気持ちと、うーん、やっぱりそうなのねというか気持ちが合わさったような気持ちにさせられた。でも、絶対、ここが肝心なんだよね。「ふつうの人たち」は関わりたくないんでしょ? どっか別の世界にしたいんだよね。だからって、「弱者の味方」のボランタリティだけに任せていいわけないじゃない。だったら、絶対、ここを分厚くすべきなんだけどな。っで、その分厚い支援のもとに、「ふつうの人たち」にも支えらて自立していく。それが大切なのに…。もちろん、それは、著者も訴えているんだけどね。

 っで、生活保護の受給者たちと一番きちんとした関わりを持つべきなのは、やっぱりその人たちの家族なんじゃないの?って思う人も多いかもしれない。でも、著者は、それは現実的ではないし、個人の尊重をうたう憲法にも反すると、強く主張するんだよね。その通りだと思う。ここでは、印象的な一節まるごとを紹介したいな。

 生活保護世帯の高校生の声
 ここで、扶養義務問題の当事者である生活保護世帯の高校生の声を紹介したいと思います。
 二〇一三年六月一四日、衆議院第一議員会館で開催された生活保護法改正案に反対する院内集会の場で、進行役を務めていた私は、九州に暮らす高校生からいただいたメールを読み上げました。
 その前の週、私は生活保護法改正問題を取り上げたテレビ番組のインタビューに応じ、親族の扶養義務を強化することの問題点を指摘しました。その直後、私はその番組を視聴した高校生からメールをもらいました。そこには「生活保護世帯の高校生として国会議員に伝えたいことがある」と書かれていたため、私は彼女に集会に向けたメッセージを書いてもらい、その文面を国会議員も参加する集会で読み上げたのです。
 母子家庭で暮らす彼女は、かなり複雑な事情のもとで育ったようです。「私の人生は普通の高校生が送ってきた人生とはかなりかけ離れていると思います。恐らく想像もつかないでしょうし、話せば同情、偏見様々な意見があるでしょう」と彼女は言い、自分の親を恨んでいると書いています。
 専門学校に進学するためにアルバイトをしている彼女は、「高校は通学に一時間半かかる高校に通っていて朝は四時半に起きて弁当を作り、学校帰りにそのままバイトに行き、帰宅するのは二二時頃。勉強もありますし家事をしたりで寝るのは〇時か一時」という生活をおくっています。
 生活保護制度について「おかしい」と思っているのは、アルバイト代が世帯の収入とされて差し引かれてしまうことと、扶養義務についてです。
 アルバイトについて、彼女は「高校生のバイト代が生活費として差し引かれるのは当たり前のように思われていますが、学校に通い成績上位をキープしながらバイトをするということがどれだけたいへんなことか分かって頂きたい。そしてバイトをするのは決して私腹を肥やすためではないことを」と言います。
 彼女の不安は自分の将来にも及びます。高校時代の奨学金の返済は八四万円になり、専門学校に進んだ場合、さらに二○○万円以上かかる見込みだと言います。そして、親元から離れ、経済的に自立したとしても、親が生活保護を利用している限り、福祉事務所、親族としての扶養義務の履行を求められることになります。
 「専門学校も奨学金で行けばいいと言われますが、専門学校卒業後、高校の奨学金と専門学校の奨学金を同時返済しさらには親を養えと言われる」
 「私はいつになれば私の人生を生きられるのですか。いつになれば家から解放されるのですか」
 「子が親を養うことも当たり前のように思われていますが、それは恨んでいる親を自分の夢を捨ててまで養えということなのでしょうか。成績は充分であるにもかかわらず進学は厳しいというこの状況はおかしいのではないでしょうか」
 メールの最後に彼女はこう訴えています。
 「私がどうしても伝えたいことは生活保護受給家庭の子供は自分の意思で受給しているわけではないということです。生活保護への偏見を子供に向けるのはおかしいです。不正受給ばかりが目につき本当に苦しんでいる人のことが見えなくなってはいませんか。選挙権がない私には国を動かす方々を選ぶことができません。だからこそ生活保護受給家庭の子供について国を動かす方々にはもっと考えていただきたいと思います。」
 彼女は生活保護世帯の子どもたちのほとんどが沈黙をせざるを得ないなか、「私の意見を広めることで、同じ生活保護受給家庭の子供が意見を発するきっかになれば」と言っています。
 国会議員のみならず、日本社会に生きる私たち大人はこうした子どもたちの訴えに真摯に向き合う必要があるのではないでしょうか。
pp.110-113

でも、それなのに、自民党政権は、生活保護バッシングをしかけ…片山さつきだけじゃなくて、世耕もなんかやったんだってね…、扶養義務の強化をすすめようとしているって著者は告発している。自民党は2012年2月に「政策ビジョン」というのを発表したそうなんだけど、著者はそれから、

 この政策ビジョンがめざす「自助・自立を基本とした安心できる社会保障制度」像を一部引用してみましょう。
 「額に汗して働き、税金や社会保険料などを納め、また納めようという意思を持つ人々が報われること。また、不正に申告した者が不当に利益を受け、正直者が損をすることのないようにすることを原点とする」
 「『自助』、『自立』を第一とし、『共助』、さらには『公助』の順に従って政策を組み合わせ、安易なバラマキの道は排し、負担の増大を極力抑制する中で、真に必要とされる社会保障の提供をめざす」
 「家族の助け合い、すなわち『家族の力』の強化により『自助』を大事にする方向をめざす」
pp.121

と、引いて、

「家族の助け合い」、「自助」を最優先に置き、「公助」の役割を最も後回しにする発想は自民党の「党是」とも言えるものです。
pp.122

って、まとめているんだよね。これって、生活保護家庭の人たちを…不条理につらい思いをさせられている人たちをふくめて…「私たちの世界」から切り離して、自分たちでやってね、「別の世界」だからね、だからお金もださなくていいよねってことだよね。

有害な若者向け選挙キャンペーンはやめてくれ

 参院戦も近づき、18歳に選挙権が与えられて初の国政選挙ということで、若者向けの選挙キャンペーンも熱を帯びてきた。朝日新聞も、その流れにのった記事をいくつかあげている。そのなかで、これはちょっと有害だなという記事をみつけた。なんか若者に投票を呼びかけるキャンペーンで、世代間対立をいたずらにあおるものが目立ってきているが、この記事も、タイトルをみて、またかと思わされたし、読み始めて、さらに詭弁まで使ってそれをしてやがると思ったんだけどね…。…いつものことだけど、マスコミの「分かりやすい説明」って、たいてい詭弁だよね。…それはさておき、さらに読みすすめると、これ、朝日18番の悲惨な詭弁による「財政再建厨」キャンペーンじゃねーかって、心底むかついた。性質の悪いステマ。有害。若者のリテラシーをあげる気なし。

 それが、次の記事。

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『18歳が知った「シルバー民主主義」 無関心の怖さ納得』
吉沢龍彦 聞き手・仲村和代 田渕紫織 2016年7月3日05時05分

http://www.asahi.com/articles/ASJ714JGXJ71UPQJ00F.html?iref=comtop_8_07

 18歳、19歳の選挙デビューに向け、いろんな試みをしています。「お嬢様芸人」たかまつななさんの「せんきょの学校」をネット中継し、18歳のシンガー・ソングライター井上苑子さんに今の思いを聞きました。高校生の発案によるフォトコンテストも開催中です。政治のイメージをポジティブなものに変えようという試みです。

■「投票行かないと…」シミュレーションゲーム

 18、19歳の有権者がどれだけ参院選の投票に行くかに注目が集まっています。過去の選挙では若い世代ほど投票率が低い傾向が出ています。ちなみに3年前の参院選では、20代は33%、30代は44%、40代は52%、50代は62%、60代は68%でした。

 若い世代が投票に行かないと、どんな影響があるのか。Voice1819の一環で、テレビ番組などで売り出し中の「お嬢様芸人」たかまつななさん(22)の、笑える政治教育をネタにした「せんきょの学校」を動画配信サービス「ツイキャス」でネット中継しました。生徒役として18歳、19歳を代表して、大学生シンガー・ソングライターましのみさん(19)と、ジャニーズの嵐の大ファンという専門学校生さとえりさん(18)が参加しました。ツイキャスで録画が視聴できます。

 たかまつさんが始めたのは、「逆転投票シミュレーションゲーム」。「50歳以下の選挙権は廃止する」という政策に賛成か反対か、投票で決着させようというゲームです。

 その場にいた記者を含め、18歳高校生、20代会社員、40代主婦、60代会社員、80代高齢者という役割に分かれた5人が投票します。50代以上は自分たちの利益が膨らむであろう「50歳以下の選挙権廃止」に賛成し、50歳未満は反対します。

 人数だけなら、3対2で反対多数です。でも、実際の社会では年代ごとの有権者数が違います。その実勢に合わせて80代には40点、60代には90点、40代には90点、20代には60点、10代には10点を与えます。点数の合計だと、賛成130点、反対160点と、なお反対が優勢です。

 ここで、たかまつさんが尋ねました。「でも、みんなが投票に行くでしょうか」

 「あっ!」「そういうこと?」。生徒からつぶやきが漏れます。

 10代の投票率はまだ分からないので、仮に50%としておきます。それ以外は過去の選挙での実績を当てはめます。20代30%、40代50%、60代70%、80代60%として先ほどの点数にかけ合わせると――。

 賛成87点、反対68点。賛否が逆転し、むちゃくちゃな政策が通ってしまいました。

 「これが実際の世の中で起きていることなんですね」とたかまつさんは解説します。さらに、舞台に立つ時に客層を見て受けそうなネタを選ぶと自分の体験を話します。「政治家も客層、つまり有権者を見て政策を変えて当然ではないでしょうか」と話を締めくくりました。

 少子高齢化にともない、高齢者層の政治への影響が強まることは「シルバー民主主義」と呼ばれます。実際、日本で1人が一生の間に政府に払うお金(税金など)と、政府から受け取るお金(年金など)の収支は、年代ごとに大きな差があると言われます。60歳以上は4千万円のプラス、20歳未満は8千万円以上のマイナスという試算があることを、たかまつさんは紹介しました(小黒一正・法政大学教授の試算)。

 もちろん現実の政治は、世代間でいがみあい、税金を取り合っているだけではありません。お互い力を合わせ、支え合い、よりよい社会を作っていくことが大切です。

 そのためにも、まずは投票に行くことが大切――。これがたかまつさんのメッセージでした。

 「深い……」と授業中につぶやいていたましのみさん。「私だけでなく、まわりを巻き込まないと。みんなで選挙に行こうと呼びかけます」と話しました。

 さとえりさんもこう言います。

 「政治や選挙に関心を持たないと、ほんとコワイんだなって思いました。自分だけがそう思っていても仕方がないので、友だちも誘って投票に行きます」(吉沢龍彦)


≪続きの引用は省略≫


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…あのさぁ。なにが、「深い……」だよ。申し訳程度に、「もちろん現実の政治は、世代間でいがみあい、税金を取り合っているだけではありません。お互い力を合わせ、支え合い、よりよい社会を作っていくことが大切です。」なんて、優等生なこと言っているけどさ。。。その前に、「これが実際の世の中で起きていることなんですね」なんて、断定調で言って、そんなんにはじめて「深い……」なんて言うような「若者」たち誘導しておいて、そんなん言っても、そりゃあんまり意味ないでしょ。とはいえ、そこはまだいいよ。確かに、そうでもして関心を呼び覚ます必要もないとはいえないし、いちおう、申し訳程度のことは言ってるしさ…。

 でも、これに、よりによって、「財政再建厨」くっつけるか?! 元財務官僚、あえてこの言葉を使うけど、御用学者、小黒一正だぜ! 小黒については、これ↓を参照ね。

『まだ家族に例えるのね…』
http://d.hatena.ne.jp/suterakuso/20131224/1387895160

ああ、小黒が世代間格差のことを言っているのは、まだいいんだけどね。ただ、これ、社会保障切り捨てのステマだよね。本当の格差のことじゃないよね。いや、小黒や朝日が、高所得者や資産家の負担を求めつつ、社会保障のなかでも元高所得者や資産家の社会保障の切り捨てだけを求めるってんなら、そりゃ、すばらしいけどさ。どうせ、こいつらが気にしているのは、自分たちが安定してラグジャリーに生きれるシステムの維持だけでしょ。


 こんな「主権者教育」より、今、若者に一番求められているのは、資産家やマスコミや金融機関や大企業エリートの人間なんかの生活がどうなっているのか、いっぽう、例えば、非正規の若者や、福祉関係の職につく若者たちの生活はどうなっているのか、そういう現実をまざまざと直視させること、そして、それが「政治」によってつくられるシステムの上に成り立っているということを知らせること、それこそが絶対に必要だと思うけどね。

う〜ん、どこが「不正」なんだろう…

 『安倍晋三への野次&自民党言論弾圧3兄弟+百田」の暴言』http://caprice.blog63.fc2.com/blog-entry-1397.html(『きまぐれな日々』Author:kojitaken)への投稿が、「不正な投稿」とされたので、そちらに投稿したかったことを、こちらに書きます。2015.07.12 22:32のコメントです。



 この人、よくこの理解力でオープンスペースで発言して恥ずかしくないね。焼身自殺する是非が、人を巻き添えにして焼身自殺する是非になったとして、この文脈でそれがどうしたって言うのか? いちおう、この理解力のレベルを推測して先回りしておくと、「よくそれがどうしたなどと言えますね」とか、絶対言うなよ、いいか、絶対言うなよ、って話でね。丁寧に、「この文脈で」とまで言ってやったんだからな。ポイントは、論点になっているかってことで、巻き沿いが出ようが出まいが、誰がその是非を論点になんかするのかって。まともな人ならする訳ないだろう。っで、また、論点ずらしとも、どさくさまぎれの汚い話ともとれるようなことを言いやがる。どんだけ、根性、腐ってんだか。

>相手の立場に立って

 大笑いしたいところだが、虫唾が走る。なんにしても、このネット人格には、不可能なことだろうね。ごらんの通り、私たちの立場に立って言葉を理解することがまったくもって不可能なんだからさ。一番似つかわしくない言葉を吐きやがった。

 ひょっとして、実は、罵倒を引き出して、それで相手を非難することで自分の溜飲を下げる作戦なのかな? 自慰は一人だけでやってくれ。我慢できずに、わざわざ巻き込まれる自分も、ほんと、どうかと思うけどさ。

っで、あなたたちは?

 無性につっこみたっくなったもので…。

『議員も資産運用にご執心 不動産や株、上昇で運用益も』
朝日新聞デジタル
磯部佳孝、飯島健太、伊木緑、贄川俊、中野龍三
2015年5月26日05時01分
http://www.asahi.com/articles/ASH5T53J0H5TUTIL02N.html

 衆院議員475人のうち101人が収益用の不動産を所有していたことが、25日公開の資産報告書などで分かった。都市部を中心に地価が上がるなか、「大家さん」として資産活用に力を入れる。安倍政権の経済政策アベノミクスに伴う株価上昇に沿って、所有株を売買する議員もいた。

保険会社なんていらない

 この記事↓をみて思ったんだけどね…。


『子供が蹴ったボールでバイク転倒、後に死亡…親の責任は』
西山貴章、山田優 2015年3月26日20時07分

http://www.asahi.com/articles/ASH3S5RLWH3SUTIL03C.html?iref=comtop_6_02

 子どもが蹴ったボールが校庭から飛び出した。通りかかったバイクが転倒。乗っていた人が負傷し、後に死亡した。「親が責任をとれ」と訴えられたら――。そんな裁判の弁論が今月19日、最高裁で開かれた。

 2004年2月、愛媛県今治市の公立小学校。小学生だった男性(23)は放課後、校庭で友人らとサッカーをしていた。ゴールに向けて蹴ったボールが門扉を飛び越えて道路に。門扉は1・3メートル、金網のフェンスの高さは、1・2メートルだった。その時、80代の男性がバイクで通りかかり、よけようとして転倒し、足を骨折。認知症の症状が出て約1年半後に肺炎で亡くなった。

 遺族が約5千万円の損害賠償を求めて提訴し、一、二審ともボールを蹴った男性の過失や、事故と死亡の因果関係を認定。二審は両親に約1100万円の賠償を命じ、両親が上告した。

(この後、いつもの「ログインして続きを読む≫」)


 こういう不慮の事故って、やっぱりあるよね。そして、どちらの側もつらいと思う。っで、不慮の事故って書いたけど、自転車保険とかが発達したように、これからは、こんなのも賠償の対象ですよっていう保険が売り出されたりするのかな。っで、払える人は安心な生活が送れるし、自分の子どもにも安心を与えることができると。でも、払えない人は? いや、それより、これ、新商品として、保険会社の市場を拡大することになるんだよね。ま、べつに、必要なサービスを提供する人がその対価をもらうのは悪いことじゃないと思うけどさ。そこじゃなくてさ、結局、これ、資産を運用できるような人の利益につながってくるよね? 資金運用とか株とかを通して。

 そういう形より、こういう不慮の事故にこそ備えるための政府をつくりましょうっていう方向にできればよいのに。もちろん、保険会社に保険料払うんじゃなくて、税金を払うの。とくに、社会の秩序によって経済的恩恵を大きく受けている人たちがね。

社民党を殺しても、まだ殺し足りないらしい福島みずほ

 この世を去る人へのたった一つの送る言葉がこれ↓なのかよ?

福島みずほ
‏@mizuhofukushima 菅原文太さんが亡くなられた。脱原発でがんばっていらしたのに本当に残念です。合掌。

https://twitter.com/mizuhofukushima/status/539320344574574593

民主党なんて信じない

 こんな記事↓を見たんだけどね…

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『民主 アベノミクスに対抗 政権公約を発表』(東京新聞 2014年11月25日 朝刊)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014112502000131.html


 民主党は二十四日、衆院選マニフェスト政権公約)を発表した。集団的自衛権の行使を容認した安倍政権の閣議決定について「立憲主義に反するため撤回を求める」とした。安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」からの転換を表明。アベノミクスの「三本の矢」に代わる経済政策三本柱を打ち出し「厚く、豊かな中間層」の復活を目標に掲げた。

 公約は経済や雇用、社会保障など十の重点政策で構成。海江田万里代表は記者会見で、アベノミクスについて「国民生活は疲弊し、格差は拡大している。賃金は物価上昇に追いつかず、持続的な成長が実現できない」と述べた。

 消費税は、期限を明示せずに引き上げ延期を容認。品目によって税率の異なる複数税率や、低所得者対策として減税と現金支給を組み合わせた「給付付き税額控除」の導入を検討するとした。経済対策では、中小企業の支援に重点を置き、技術・技能の伝承や税制の充実、地域産業の活性化を図ると列記した。

 社会保障では、安倍政権が進める年金積立金の株式運用に反対し「堅実な運用を進める」とした。

 教育では「三十五人学級の堅持」を主張。所得制限のない高校無償化を目指すとした。

 原発については、避難計画に関する国の責任を明確にする制度の確立を明記。「責任ある計画がなければ原発は再稼働すべきではない」とした。

 米軍普天間(ふてんま)飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の移設問題には直接触れず、「(米軍の)抑止力の維持をしつつ、住民の負担軽減に全力を挙げる」と記した。


◆「厚い中間層復活」掲げ

 民主党衆院選マニフェストに「経済政策三本柱」を掲げ、安倍政権の経済政策「アベノミクス」との対決色を強く打ち出した。海江田万里代表はアベノミクスは国民生活を悪化させ、格差を拡大させていると批判。「今こそ流れを変える時だ」と強調した。

 民主党マニフェストアベノミクスの「三本の矢」について、一本目の大胆な金融緩和は急激な円安により「物価高、実質賃金低下を招いた」と指摘した。二本目の機動的な財政出動は「資材高騰、入札不調、民需圧迫」を招き、バラマキに終わったと主張。三本目の成長戦略は「一握りの企業を優遇、そのうえ一向に進まない」と批判した。

 アベノミクスが「期待外れ」だったと示すために具体的な数値も引用。富裕層が株高で恩恵を受ける半面、賃金水準が低い非正規雇用が雇用者全体の37・2%(今年九月)まで増えたことや、物価変動を加味した実質賃金が十五カ月連続減になっていることを示すグラフを掲載した。

 民主党は「厚い中間所得層の復活」を目標に掲げた。その具体策が経済政策三本柱だ。

 金融緩和は、現状では引き締め方向への急転換は危険だとしつつ、これ以上の円安進行による物価高を回避する方向性として「国民生活に留意した柔軟な金融政策」を提示した。

 財政政策では「生活の不安を希望に変える人への投資」として、子育て支援や非正規雇用の待遇改善、社会保障の安定・充実を提案。法人税減税や投資減税で大企業優先の安倍政権との対立軸を示した。

 成長戦略は再生可能エネルギー農林水産業、中小企業などに政策資源を集中するとし「未来につながる成長戦略」と名付けた。

 福山哲郎政調会長は記者会見で「『この道しかない』という(アベノミクスに関する安倍晋三首相の)言い方におごった姿勢が表れている。もう一つの道があることをしっかりと示した」と述べた。 (大杉はるか、横山大輔)

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 なにをしれっと今さら言ってんのかって。「消費税は、期限を明示せずに引き上げ延期を容認」ってさ、衆院選の大敗をも恐れずに公約にもない消費増税に血眼になった首相は誰だったっけ? 「原発については、避難計画に関する国の責任を明確にする制度の確立を明記。『責任ある計画がなければ原発は再稼働すべきではない』とした。」ってさ、玄海原発を再稼働させようとして、当時の首相であり自党の党首である菅直人と衝突し、その混乱を国会で問われて泣いたのは、今、どんな立場にいる人なのかな? 「金融緩和は、現状では引き締め方向への急転換は危険だとしつつ、これ以上の円安進行による物価高を回避する方向性として『国民生活に留意した柔軟な金融政策』を提示した」ってさ、頑なにインフレを拒む硬直した金融政策に固執し、超円高を是正できなかった元首相は誰だったっけ? こんな人たちの「検討する」だとか、「図る」だとか、「進める」だとか、「目指す」だとか、「全力を挙げる」だなんて、軽い!軽い! そりゃ、そうでしょ。