岸田政権が令和の大疑獄の渦中にある中で、一つ、ほとんど注目されていない、しかし、極めて重大で、腹立たしいことがあるので、秘境ブログながら、記事にあげて、注目を呼びかけたい。もちろん、令和の大疑獄は注目に値し、これを自公の終わりの始まりにしなければならないが、だからといって、これも軽視されてよいことではない。そして、これと大疑獄とは、自公が何を犠牲に、何のための政治をしているかということで、完全に同根の問題だ。本邦の裁判史の中では輝かしいものともいえる、愛知の生活保護をめぐる判決を受けての、武見敬三厚労相の発言の話だ。
まずは、次の記事を取り上げたい。
有料記事なので、読める部分までを引用する。
関根慎一2023年12月8日 21時05分
武見敬三厚生労働相は8日、国が2013年から生活保護基準を引き下げた決定を違法とした先月30日の名古屋高裁判決を巡り、「当時は九州の一部で制度が悪用されるケースが多々あった」などとした発言の一部を撤回した。訴訟の支援団体が「悪印象を振りまく」と撤回を求めていた。
武見氏は1日の閣議後会見で基準引き下げの背景を問われ、「当時は九州の一部の地域などで、生活保護制度が極めて好ましくない形で悪用されているケースなどが多々あった。窓口で大変大きく問題となり、職員が大変深刻な脅威の下にさらされることが実際多々起きていた」と述べていた。
この発言に関して武見氏は、8日の閣議後会見で、「必ずしも九州地方で多かったというだけの話ではない。そこ(九州の一部)だけは撤回する」と話した。
また、生活保護の不正受給は…
ふぜけるな、としか言いようがない。「撤回」と言うが、生活保護へのバッシングは何も撤回していないことは、当然確認しておかなければならない。また、そもそも窓口の問題と生活保護基準とは関係ない。
私はブコメを中心に発信しているので、この記事に次のブコメをつけた。(#はタグ)
また適材適所案件か。まったくもって厚労相として不適格。辞任しろ。/九州で生活保護といえば思い出すのは、2007年北九州で生活保護を止められた男性が「おにぎり食べたい」と書き残して餓死したことだ。#全部自民投票者が悪い
そう、これこそが九州の一部の地域の窓口で起きた問題だ。
しかし、これだけでは言い足りないと思い、さらにこのブコメに次のブコメもつけた。
当時、片山さつきや世耕が生活保護バッシングをしていたことも忘れてはならない。厚労相である武見の発言は、自民はその頃と何も変わっていないということだ。
そう、自民は片山に愚連隊をさせて生活保護バッシングキャンペーンをはっていた頃と、何一つ変わっていないのだ。
九州云々のくだりはないが、12月1日の時点で、武見の発言を報じたものとしては、NHKの次の記事があった。
生活保護費引き下げで賠償判決「当時の見直しは適切」厚労相
2023年12月1日 11時52分生活保護費が2013年から段階的に引き下げられたことについて11月30日、名古屋高等裁判所が引き下げの取り消しと国に賠償を命じる判決を言い渡したことを受け、武見厚生労働大臣は閣議のあとの記者会見で、「当時行われた生活保護制度に関わるさまざまな見直しは手順も含めて適切なものだった」とする認識を示しました。
生活保護の支給額について、国が2013年から最大で10%引き下げたことに対し、愛知県内の受給者13人が最低限度に満たない生活状況を強いられているなどとして国に賠償などを求めていた裁判で、名古屋高等裁判所は30日、引き下げを取り消すとともに、国に原告全員への賠償を命じました。
これについて、武見厚生労働大臣は12月1日の閣議のあとの記者会見で、「当時は生活保護制度が極めて好ましくない形で悪用されているケースなどがあり、こういうことに対してきちんと対処すべきという考え方が前提にあって、生活保護制度に関わるさまざまな見直しが行われた。その手順も含めて適切なものだった」と認識を述べました。
そのうえで、「判決内容を精査して、関係省庁や被告の自治体と協議したうえで、今後、適切に対応したい」と述べました。
これには、次のブコメをつけた。
当時は片山さつき、世耕らによる生活保護バッシングの嵐が吹き荒れていたんだよ。河本母、フルスペックの人権、思い出すだけで腹立たしい。この外道どもが。
そして、当時を思い出してみようと、「河本母」でググってみると、当時のものではないが、次の記事が目に入った。
河本準一、10年前の“生活保護問題”について口を開く「母親は何も悪くない、僕の完全なミスなんです」
[ 2022年8月23日 16:45 ]お笑いコンビ「次長課長」の河本準一(47)が23日までに自身のYouTubeチャンネルを更新。12年にあった母の“生活保護問題”について振り返り「母親が責められることは一つもない」と語る場面があった。
「100の質問に答える」企画で、スタッフから12年にあった母の生活保護の騒動について問われた河本。「もちろん今でも反省していることだし、リセットできないから」と反省しながらも「これだけは言っておきたいんだけど、悪いのは僕であって母親は何にも悪くないんですよ。母親は不正受給はしてないんですね」と強調した。「母親は両手が動かなくなって、めちゃくちゃ厳しい審査を通って、受けさせていただいたのが生活保護という最後の砦なんです。それは受ける権利があったんですけど、そこで“息子がなんで看れなかったのか?”というのが争点なんです」と語った河本。
「最初に母親が生活保護を受けてるときは、全く売れてないときで、当時僕は借金もしていて。個人事業主は浮き沈みがあって、でも僕みたいに突然変異でめっちゃ上がるときもあって。そのときに“なんで看てあげなかったの?”っていうところが、僕の完全なミスなんです」と落ち度を認めながら、「母親が責められることは一つもないです。今でも後悔してるけど、十字架を背負っていくしかない」と話していた。
私はバラエティー番組はもちろん、民放もほとんど見ないので、この人の他の面での評価は何一つないが、この記事を読む限りでは、世間の圧力を内面化させられた、あまりにも切ない言葉だと思う。あるいは、芸人らしく空気を読んだのか。なので、次のブコメをつけた。
いいや、ケースワーカーのミスというか、そうならざるを得ない状況を作った政治の責任だ。
これは深く書こうと思えば、いくらでも深く書けるし、そうしなければならない話だと思う。しかし、力量もなくそうすれば、むしろさらに注目を呼び覚ます妨げになってしまうと思うので、ここまでにしたい。