いちおう山口県民なので…・4

 気づいたら、もう、明日は選挙。仕事が早くないので、まだまだ書こうと思うことはあるのに、時間がなくなってしまった。そういう訳で、自分で頭を捻りながら書くよりは早いので、今日は7月22日の朝日新聞朝刊の記事の書き起こし。最近の他の朝日の記事と同様、ネットでは、一部しか見ることができない。記事中の表についてはそちら*1で見てください。
 あ、それから、これは無記名記事ね。


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原発オスプレイ争点
山口県知事選、与野党が注視

 山口県知事選(29日投開票)の行方を、与野党が注視している。原発政策と米新型輸送機オスプレイの陸揚げという二つの国政テーマが争点となり、結果次第で野田政権の基盤にも影響しかねない。次期衆院選の前哨戦と位置づける自民党も、「脱原発票」による第三極の台頭を警戒する。

民主は分裂状態

 民主党は「脱原発」を掲げる飯田哲也氏を支援するか、もともと同党の衆院議員で、県連内部の異論を押し切り離党・議員辞職して立候補した高邑勉氏を支援するかで県連の意見が割れ、分裂状態になった。
 飯田氏は大阪府大阪市の特別顧問を務めるなど、橋下徹大阪市長のブレーンだった。21日、宇部市内で街頭演説し、中国電力の上関原発建設計画や山口県の一部が30㌔圏内にかかる四国電力伊方原発の再稼働に触れ、「しっかりと国策に対して真正面から戦い、ものを申していく。4人の候補者のうち、それが出来るのは私1人」と訴えた。
 告示前は脱原発を主張する音楽家坂本龍一氏との2連ポスターを張り、県内の15カ所の拠点で、全国から駆けつけたボランティアが「維新のDNA」「山口八策」と記したパンフレットを50万部配った。
 街頭演説では「山口からエネルギー維新」「すべての水がのめますように」といったのぼりを使う。「(自身が当選すれば)野田政権の再稼働方針への大打撃になる」と自信を見せる。飯田氏に電話で「知事選に出てみないか」と誘った民主党平岡秀夫元法相は水面下で支援に回る。
 一方、高邑氏は離党したとはいえ、野田政権の立場を代弁している。21日は宇部氏を自転車で遊説し、ショッピングモールで買い物客らに「一番大切なのは安定供給。この暑さで停電になっていいのか」と強調。原発も含めた電力の安定供給の必要性を説いた。
 高邑氏は岩国市に23日に陸揚げ予定のオスプレイについても「選挙になって急に受け入れ拒否とはいえない。我が国に拒否する権利はない」とし、4人の候補でただ1人、受け入れを認める立場だ。選挙事務所には、原口一博総務相民主党国会議員からの激励が並ぶ。昨年の民主党代表選で高邑氏が支援した馬淵澄夫国土交通相20日、応援に駆けつけた。
 だが自公両党との協調を重視する野田政権幹部は、高邑氏と自公推薦の山本繁太郎氏に票が分散し、飯田氏を利することになりかねないとして、高邑氏の立候補に批判的だ。飯田氏が当選すれば「再稼働反対の世論が勢いづき、政権にとってダメージが大きい」。野田佳彦首相の周辺は、高邑氏について「山本氏と保守票を食いあっているらしい。余計なことをして」と不快感を示した。

自民は第三極警戒

 民主党が圧勝した2009年の衆院選でも、自民党が4議席中3議席を守った「保守王国」の山口。今回の知事選は、同党の復調ぶりを占う試金石となる。原発オスプレイ問題が「第三極」への支持拡大につながることに警戒感を強め、争点封じに躍起だ。
 21日、山本氏は街頭演説で具体的な政策は述べなかった。飯田氏が上関原発建設計画の白紙撤回を主張する一方で、山本氏はほとんど触れない。
 告示日の12日は、山本氏は山口市内での第一声で3分近く「脱原発依存は当たり前だ。危ない原発は建てさせるわけにはいかない。県民の意見を聴き判断する」と語っていた。
 だが首相官邸前の抗議行動などが激しくなるなか、山本氏が原発に触れれば、飯田氏の土俵に乗ることになりかねない。山本氏の発言は、県選出国会議員の間で「何だあれは」と問題になり、山本氏はその後、「原発発言」を封印するようになった。
 谷垣禎一総裁も19日の会見で「知事選で反原発の流れが出るのが、日本の将来にいいことだろうか」と語り、争点化に否定的な考えを示した。
 日米同盟を重視する自民党にとって、オスプレイ陸揚げも頭が痛い問題だ。
 安倍晋三元首相(山口4区)は知事選告示前日の11日、外務省幹部を議員会館の事務所に呼び「何を考えているんだ」と詰問した。オスプレイが争点化しかねないのに、岩国への陸揚げは29日の投開票の直前になるため、陸揚げを投票日の後にできないか米と交渉するように迫ったのだ。
 原発オスプレイ問題で第三極に躍進の材料を与えれば、自民党執行部は次期衆院選に向け、従来の政策や衆院の解散戦略の見直しを迫られかねない。山本氏は21日、米軍岩国基地のある岩国市内で演説や遊説をしたが、オスプレイには触れずじまいだった。

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 では、少し感想を。
 原発オスプレイ争点ってあるけど、そこまでそれで、盛り上がっている感じがないんだよなぁ…。原発は、今の情勢では、まだまだ急に話が進みそうな切迫感はないし、オスプレイは、地元にとっては、ある意味、いつものプロレスみたいに受け取られているところがあるし。原発も岩国も、現職の二井知事は、世論の様子を見ながら、事を荒立てず、でも、自分の不人気につながらないように、うまいことやってきたし。で、山本氏はその正統な後継者という扱いだし。…なんか、選挙より、ロンドンとか甲子園の予選とかの方が、扱いが大きいし、話題になっているんだよなぁ…。なんか、選挙速報がオリンピック中継の邪魔とか言われそう…。
 それから、そういえば飯田氏は、「山口八策」なんてのも打ち出している。なんかもう、「維新」と「八策」なんて、ほんと、なんだかなぁって感じ…。
 それから、高邑氏は国会議員だったというのに、あんまり注目されていない感じ。2009年衆院選の復活当選だから、国会議員といっても、本人の実力が認められている訳ではないってことなんだろうね。
 うんうん、やっぱりそうだよねって思うのは、この選挙が自民の復調ぶりを占う試金石ってところ。確かに、飯田氏が大善戦したりすると、自民党さん、そんなに甘くないよ〜って話になるんだろうね。それと、新興勢力、とくに橋下氏への期待高まるって話になるんだろうね。
 あと、しれっと書かれているけど、安倍元首相は政府関係者でもないのに、いったい、何やってるのと…。まったく…。こんなところで元首相が官僚相手に大物風吹かしてどうすんのと…。